今年から始まった、多肉植物のお世話。

注文履歴を調べてみると、7月ぐらいから買い始めたようです。最初は一般的なもので満足していましたが、そのうち少しずつ知識もついてきて、少し変わったものまで、いろんなものを集め始めました。

どの多肉植物も可愛くて、大切なので、オフィス内の環境も多肉植物が優先になっています。

夏は午後から室内に入れるので、夜もエアコンをつけっぱなし。

サーキュレーターも購入し、蒸れないように細心の注意を払って管理。ダメになったものも少しはありますが、初心者にしては、無事に夏越できたのではないかと思っています。

秋から冬は比較的安心して外に出しておけるので、夏よりは楽でした。

このままだと、何も心配することなく冬越しもできるだろうと思っていました。

ところが、そんな中、ほんとにバカみたいな大きな失敗をしてしまいました。

寄せ植えの鉢に植えたルビーネックレスという多肉の茎に白いものがついているなあと気づいてはいました。はじめのうちは、そこから根が出てくるから白いのかなぐらいに思って、気にしていませんでした。

それが、ある日、さらに目立つように感じたのです。(実際は全然変わってなかったと思います)

でも、気になるといろんな最悪のことが頭に浮かんできて、それが大きく見えてくるんですね。

秋口にカイガラムシが大発生したことがあり、その苦い記憶も手伝って、カイガラムシがまた発生したのかもしれないと戦慄が走りました。

しかも、一番大事に思っていた寄せ植えの中に植えてあります。

その近くにおいてある鉢も、特別大事にしているものばかりが並んでいました。

冬のカイガラムシは厄介だという記事も記憶に登ってきました。

そして、思わず冬のカイガラムシ用の殺虫剤をその周辺の鉢に撒いたのです。

それは材質的には水ではなく、油。

どうなったかというと、とても綺麗だった葉に薬剤の油のシミがたくさんついてしまいました。

とても細かい点々ですが、とても目立ちます。

撒いた後で、ついたシミを実際に目にして、やっとその行動の馬鹿馬鹿しさに気づきました。

まず、カイガラムシかどうかわからないのに、調べもせずに薬をまいたこと。

そして、全然関係ないところまで広範囲にわたってスプレーしてしまったこと。

しかも、その薬は、カイガラムシに直接かけて殺すものだった。(私がしたかったことは予防的な意味だったので目的が違う)

その時の私に一体何が起こっていたのでしょう。

一番に浮かんでいたのは、大発生した時のあの嫌な記憶です。

「またあんな風になったら大変だ!「」

きっとそれで我を失ってしまったのですね。

それで、意味不明の行動に出てしまいました。

結果、やはり、カイガラムシではなかったのです。

後悔先に立たず、かわいそうな葉っぱを見て、申し訳ないことしたなあと思いました。

なにより、とっても綺麗だったのに、醜い点々がついてしまって残念でしかたがありません。

それが、大事にしていた鉢全てに及んだのですから悲惨ですね。

春になって葉っぱが入れ替わるのを待つしかなさそうです。

全部入れ替わるには何年もかかるかもしれません。

でも、枯れるわけではないと思い直し、やっと気持ちを切り替えました。

そうして残念に思いながら、葉っぱたちを眺めていたらふと思いうかんできたことがありました。

これと同じことを子育てでしていなかっただろうか。

これと同じように、勝手に心配してあれこれ手をまわして、結局なんの役にも立たないことをしていなかっただろうか。

そのままそっとしておけば、健康にすくすくと育つのに、余計なシミを作ってしまっていたのではないか。

答えは全てイエスですね。

こうして、葉っぱに目に見える形で現れているのと思い合わせると、その残念な意味の無さがさらに際立ってきます。

でも、そんな馬鹿な親にも関わらず、子供たちは何もなかったように育ってくれました。

岸見先生の本を読んで背筋を凍り付かせ、お話を聴いて試行錯誤し、私自身かなり変化したと思います。

葉っぱはきっと今の状態で、できる限り光合成をして、根っこはできる限り栄養を吸い上げ、次の新しい葉を作り、やがて入れ替わる。

何事もなかったかのように。

本当に存在するのは、傷ではなく、その生命力なのですね。

物言わぬ、されるがままの植物。

そんな存在と過ごした。

そして、そんな存在だからこそ、たくさんのことに気づかせてもらった一年だったなあと思います。