コーチングスーパービジョンの提供をスタートします
スーパービジョンをご希望の方
スーパービジョンは1クール6回(月1回×6回)でのご提供となります。
今回は、より多くの方にスーパービジョンを体験していただきたく、2025年9月末までにお申込みの方限定で特別価格をご用意いたしました。
チームコーチングスーパービジョン
価格 1クール6回264,000円税込(1回44,000円税込)
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2025年9月末までのお申込みの方限定
【特別価格】1クール6回198,000円税込 (1回33,000円税込)
まずは、無料オリエンテーションを実施します。説明をお聞きいただき、ご納得の上、あらためてお申込みください。
個人コーチングスーパービジョン
価格 1クール6回198,000円税込(1回33,000円税込)
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2025年9月末までのお申込みの方限定
【特別価格】1クール6回132,000円税込(1回22,000円税込)
まずは、無料オリエンテーションを実施します。説明をお聞きいただき、ご納得の上、あらためてお申込みください。
オリエンテーションのお申し込みはこちらから
私とコーチングスーパービジョン
昨年から1年をかけて、コーチングスーパービジョンの勉強をしていました。
コーチングスーパービジョンは、コーチングセッションを提供するプロコーチが、自身のパフォーマンスを疎外する心理的な要因や、自分が知らずに与えている影響などに気づいて、自分自身がより自由になってコーチとして関われるためのサポートをしていくものです。
私がコーチングスーパービジョンという言葉をきいて、最初にイメージしたのは、一般的なスーパービジョンのコーチングセッションの技術的な指導も入るイメージでした。ところが、実際学んでみると全く違っていて、コーチの技術的な要素より、人間的なキャパシティーや、成熟に焦点があるのに驚きました。
ヨーロッパでは昔から盛んだったようですが、日本語のプログラムはまだなく、ICFもそんなに重要視している雰囲気はなかったと思います。それが、ICFがチームコーチングに力を入れ始めて、チームコーチの資格であるACTCの申請条件を定めたなかに、コーチングスーパービジョンを受けている経験が必要になってきて、初めて私もその存在を知りました。
そもそも、日本でスーパービジョンを提供できる人はいるのか?からスタートし、いろんな人に教えていただき、やっと佐々木葉子さんというスーパーバイザーに出会い、彼女に勧められて、私もCSAコーチングスーパービジョンアカデミーというヨーロッパの教育機関で学ぶことを決意しました。
私がこの度学んだのは、コーチングスーパービジョンアカデミーCSAというところで、世界中のスーパーバイザーを育てているところです。CSA は 2005 年以来 EMCC の認定を継続的に受けており、ICF の承認プロバイダーにもなりました。
(ICFPCC資格更新時にスーパービジョン10時間を記載できます)
CSAで昨年初めて日本語のプログラムがスタートし、私はその1期生として参加いたしました。
最初はコーチングとスーパービジョンの違いもよくわからない状態から始まったのですが、自分も半年スーパービジョンを受けてみて感じたのは、いかに知らないうちに、様々な影響を受けてしまっているかということや、今自分に起こっていることは、単に目の前の人が引き起こしているのではなく、相手の反応すら、自分が引き起こしている可能性があることなど。
実際、様々なことに気づき、本当に驚きました。
そして、それらの探求は、決して責められるわけではなく、スーパーバイザーと共に、時には面白がるぐらいの感じで探求していことが、とても豊かで楽しい時間でした。
私は、チームコーチとしてのテーマを取り上げることが多かったですが、この関わりが、コーチになりたての頃にもあったらどんなに安心して進んで行けただろうと感じました。
例えば、私がチームコーチとして関わっているマネージャーとその上司との関わりをテーマにあげた時に、そのマネージャーとその上司に起こっている状況が、私が上司の方に関わる時の関わり方に影響を与えているのを、私のスーパーバイザーが自分に起こったことをいち早く言語化して伝えてくれたことで、そのことに気づけたことがありました。その時、スーパーバイザーが伝えてくれたのは、「今、私も喧嘩してるような気持ちになってるんだけど、それって何か関係あるかな?」というような言葉だったと思います。
スーパーバイザーは自分自身を使って楽器の役割をするというのを学んだんですが、まさに、自分のすべてを使って、私の楽器になってくれているような感覚がしました。
そこで、私は、自分が本当は協力関係を作っていかないといけない相手に対して、知らずに喧嘩しようとしていたことに気づいたのです。
このスーパービジョンのおかげで、その後のその上司との話し合いがとてもうまく運び、協力関係を強くできたのは言うまでもありません。
これは、単なる一例ですが、この時、スーパービジョンで自分自身に気づいていなかったらと思うと今でも冷や汗がでてきます。
そして、私自身、それ以降もずっとスーパービジョンを受け続けています。
本当はもっと面白い関わりや効果もあるので、また少しずつ記事に書いていこうと思います。
プロコーチのみなさん、是非一度コーチングスーパービジョンを体験してみてくださいね。
チームコーチングスーパービジョンについて
私がコーチングスーパービジョンを学んだきっかけは、チームコーチングに必要不可欠であると感じたからでした。
私が最初にチームコーチングを提供し始めてから今で約5年ぐらい経ちました。その間目まぐるしいほどの変化を起こす組織を目の当たりにしました。ちょうどその組織の転換期に出会ったこともありますが、その時の経験を振り返ると、複雑なチームと組織のシステムを一人のコーチが関わる難しさを実感します。
ピーター・ホーキンスが彼の著書『チームコーチング』(ピーター・ホーキンズ、田近秀敏監訳、佐藤志緒訳、英治出版、2012年)のなかで、チームコーチングのスーパービジョンについて、一つの章を費やして取り上げています。
そこでは、スーパービジョンの効果について、このように書かれています。「“特定のクライアントの状況や人間関係”や“彼らが引きおこす反応やパターン”を振り返り、熟考できるようになる。そして、スーパービジョンを通じてそれらをじかに変容させることで、コーチングを受けている人も、クライアントである組織も、コーチ自身の実務的な実践にも、深遠な影響をもたらすことができる」(前掲書P298)とあります。
彼はさらに、チームコーチに求められることについて「効果的なチームコーチングを行うためには、『チームと連携して働きながらも、チームのダイナミクスや文化からは独立したまま』という難しい立場を維持しつつ、『チーム内』及び『チームとそのチームがふくまれたより広範囲に及ぶシステムの間』のシステミックなダイナミクスを見極める必要がある。」(前掲書P299)とし、これらの複雑なダイナミクスを一人のチームコーチが察知してその意味を理解するのは不可能に近いが、良質なスーパービジョンをうければ可能になると書いています。
ここでいう、システミックなダイナミクスとは、外から見えるようなシステムだけではなく、人同士の内部で起こる心理的なダイナミクスが気づかないうちに全体に大きな影響を与えてしまうことを言っていると思います。そして、コーチが、それらと独立したままの立場でいられなくなると、いつのまにかそれに飲み込まれてしまい、チームコーチとして全く機能しなくなってしまいます。
私がスーパービジョンのテーマで選ぶのもまさにそのようなものでした。
チームはそれぞれとても個性があり、それは、業務内容の性質や組織内での役割、リーダーやメンバーの技能的な構成や、人間的なスタイルの構成、それらの関係性、チームの成熟度と個人の成熟度、など、様々なことで、まるで個人のように同じチームは一つとして存在しない。さらに、そのメンバーが一人でも交代すると、また一気に変わります。
チーム内部だけでもそのような複雑さがあるのですが、そのメンバーの一人一人がそれぞれに背後にさらなる複雑なものを背負っています。
組織の内外で業務で関わったり、政治的に関わったり、個人的感情が動いたり。さらに、その組織独特の文化があり、言葉の使われ方も様々です。
私が受けた、チームコーチングスーパービジョンの学びでも、個人コーチングとの違いは、その利害関係者の複雑さとシステムの複雑さから心理的側面が増幅されることでした。
すなわち、コーチ自身がクライアントから受ける影響(転移や逆転移などで起こるパラレルプロセス)は、個人コーチングでも、かなりありますが、それがチームコーチングになると大きく増幅するというのです。
実際、私自身も、そのパラレルプロセスを体験したのは、前回の記事でも触れたとおりです。
これらは、個人コーチングですでにスーパービジョンを受けていると、あらかじめシステムへの視点は成長しているかもしれませんが、それでも、あまりにも一気に増幅するので、キャパオーバーしてしまうことは必定です。
私がコーチングスーパービジョンを受け始めたのは、チームコーチングがスタートして、3年ぐらい経ったころでした。それまでもきっと様々なことが私の中で起こっていたはずですが、なんとなくうまくやり過ごしていただけだったのかもしれないと感じます。
ピーターホーキンズが言うように、組織全体でおこっていることを見極めているかというと、そのような視点はぼんやりとしているのと、私が関わっているチーム以外で起こっていることまで、とても手を伸ばすことはできないと諦めていたように思います。
それが、スーパービジョンを受けて初めて、私自身が組織全体からいかに大きな影響を受けていたかに気づかされました。
それは、チームコーチングへの影響というより、私個人に起こっていたことで、何か、恐れや不安や遠慮を感じてしまうような心理的なものです。
自分の中の感情なので、自分で調えるしかないと思っていたことが、スーパービジョンでそのシステムで起こっていることが整理できたことで、それらのネガティブな感情の原因がわかり、リーダーや、経営層に、より積極的な提案ができるようになりました。
重要なのは、まずは、自分に起こっていることに気づけていないことが問題なのだと思います。
組織の中のチームは、独立して存在することはできず、システムの中で存在しています。チームコーチングは、まずは、そのシステムの中で自分達のチームがどんな位置にいるか、どんな役割なのかを問うことから始まると思っています。
ということは、チームコーチングの最初期からその複雑なものを扱っていくことになります。
スーパービジョンで、振り返り、システムを眺める場をもっていないと、チームコーチングは、その本当の効果を出すことが難しくなるのだろうと思います。
それも、コーチが何が起こっているのかに気づかないうちに進行して、やがて、チームコーチングでは効果が出ないというような評価をされるかもしれません。
これって、個人コーチングが日本に入ってきた時にも同じようなことが起こっていたのではないでしょうか?
企業への成果を焦るあまり、本来のコーチングではなくなっていく。
そうすると、コーチングの効果は当然でない。
最悪は、コーチングへの拒否反応すら起きてしまう。私がコーチングを始めた13年前はまさにそんな企業がおおかった印象があります。
最近はコーチングの正しいイメージも定着してきましたが、チームコーチングはまさにこれから。
本当に効果を出せるチームコーチングが提供できるために、チームコーチのキャパシティを拡げることは、最重要なのだと思います。
チームコーチングの効果を最大限にしていくために、是非チームコーチングスーパービジョンを取り入れてみてください。
参考文献
ピーター・ホーキンス『チームコーチング』田近秀敏監訳、佐藤志緒訳、英治出版、2012年