昨年から1年をかけて、コーチングスーパービジョンの勉強をしていました。
コーチングスーパービジョンは、コーチングセッションを提供するプロコーチが、自身のパフォーマンスを疎外する心理的な要因や、自分が知らずに与えている影響などに気づいて、自分自身がより自由になってコーチとして関われるためのサポートをしていくものです。
私がコーチングスーパービジョンという言葉をきいて、最初にイメージしたのは、一般的なスーパービジョンのコーチングセッションの技術的な指導も入るイメージでした。ところが、実際学んでみると全く違っていて、コーチの技術的な要素より、人間的なキャパシティーや、成熟に焦点があるのに驚きました。
ヨーロッパでは昔から盛んだったようですが、日本語のプログラムはまだなく、ICFもそんなに重要視している雰囲気はなかったと思います。それが、ICFがチームコーチングに力を入れ始めて、チームコーチの資格であるACTCの申請条件を定めたなかに、コーチングスーパービジョンを受けている経験が必要になってきて、初めて私もその存在を知りました。
そもそも、日本でスーパービジョンを提供できる人はいるのか?からスタートし、いろんな人に教えていただき、やっと佐々木葉子さんというスーパーバイザーに出会い、彼女に勧められて、私もCSAコーチングスーパービジョンアカデミーというヨーロッパの教育機関で学ぶことを決意しました。
私がこの度学んだのは、コーチングスーパービジョンアカデミーCSAというところで、世界中のスーパーバイザーを育てているところです。CSA は 2005 年以来 EMCC の認定を継続的に受けており、ICF の承認プロバイダーにもなりました。
(ICFPCC資格更新時にスーパービジョン10時間を記載できます)
CSAで昨年初めて日本語のプログラムがスタートし、私はその1期生として参加いたしました。
最初はコーチングとスーパービジョンの違いもよくわからない状態から始まったのですが、自分も半年スーパービジョンを受けてみて感じたのは、いかに知らないうちに、様々な影響を受けてしまっているかということや、今自分に起こっていることは、単に目の前の人が引き起こしているのではなく、相手の反応すら、自分が引き起こしている可能性があることなど。
実際、様々なことに気づき、本当に驚きました。
そして、それらの探求は、決して責められるわけではなく、スーパーバイザーと共に、時には面白がるぐらいの感じで探求していことが、とても豊かで楽しい時間でした。
私は、チームコーチとしてのテーマを取り上げることが多かったですが、この関わりが、コーチになりたての頃にもあったらどんなに安心して進んで行けただろうと感じました。
例えば、私がチームコーチとして関わっているマネージャーとその上司との関わりをテーマにあげた時に、そのマネージャーとその上司に起こっている状況が、私が上司の方に関わる時の関わり方に影響を与えているのを、私のスーパーバイザーが自分に起こったことをいち早く言語化して伝えてくれたことで、そのことに気づけたことがありました。その時、スーパーバイザーが伝えてくれたのは、「今、私も喧嘩してるような気持ちになってるんだけど、それって何か関係あるかな?」というような言葉だったと思います。
スーパーバイザーは自分自身を使って楽器の役割をするというのを学んだんですが、まさに、自分のすべてを使って、私の楽器になってくれているような感覚がしました。
そこで、私は、自分が本当は協力関係を作っていかないといけない相手に対して、知らずに喧嘩しようとしていたことに気づいたのです。
このスーパービジョンのおかげで、その後のその上司との話し合いがとてもうまく運び、協力関係を強くできたのは言うまでもありません。
これは、単なる一例ですが、この時、スーパービジョンで自分自身に気づいていなかったらと思うと今でも冷や汗がでてきます。
そして、私自身、それ以降もずっとスーパービジョンを受け続けています。
本当はもっと面白い関わりや効果もあるので、また少しずつ記事に書いていこうと思います。
プロコーチのみなさん、是非一度コーチングスーパービジョンを体験してみてくださいね。